耳栓-マンション上階の足音騒音のための耳栓
2018/06/24
耳栓の話です。
以前、飛行機でCAから耳栓をもらっている人を見て、
「神経質な人だなあ」
と思ったことがありました。
まさか、その自分が、耳栓を使うことになるとは思いませんでした。
しかも自宅で。
マンションの足音に遮音効果があった耳栓
わたしの耳栓コレクション
下の写真は、この頃にいろいろな耳栓を買ってきては試したときのもの。
ここに写っている多くの耳栓のうち、上階からの足音の騒音にそれなりの効果があったのは、
- 右上の白いシリコン製の耳栓
- 中段、半透明のプラケース内のオレンジのウレタン耳栓(ダイソー)
の2つでした。
耳栓を選ぶときの基本的な考え方について
耳栓のパッケージにはたいていNRR(ノイズ・リダクション・レイティング)の数値が書いてあります。NRRとは、耳栓の遮音性能をデシベル(音の大きさを示す単位)で表したものです。日本語に訳すと、「騒音低減率」となります。
たとえば、100dB(デシベル)の騒音がある場所で、NRR33dBの耳栓を使用すると、耳に聞こえる騒音は67dB(デシベル)になります。
100-33=67dB
NRRの数値が大きい方が、騒音を低減する効果が高いことになります。理屈のうえではそういうことになっています。
NRRの数字はあまり意味がない
しかし、体感上の騒音は、実際にはこれほどさがりません。特に、足音などの重衝撃音に関しては、このNRRを基準に選ぶことはあまり意味がないようです。
流行のハイテク素材の耳栓は、NRRが28~32dB程度と、数値のうえでは遮音性がとても高いものがあります。
しかし、実際に使用してみると、街頭のノイズ等には効果があっても、上階からの足音の重衝撃音には殆ど効果がない耳栓もありました。逆に、NRRは22dB程度と控えめでも、重衝撃音に対しては効果の非常に高いものもありました。
それぞれの耳栓には特性があって、よく遮音できる音の種類に違いがあることが、体験してみてわかりました。
耳栓にはそれぞれ得意・不得意な分野がある
また、今風の多くの耳栓は、特殊な素材を使って、
「必要な音は通します」
と言うのを売りにしています。
「科学の耳栓」などとキャッチコピーを付けて売っているものがそうです。
メーカーさんは、不要な音と必要な音をどう区分けしているのでしょうか?
少なくとも私にとって最も不要な音である上階の足音は、耳栓メーカーが考える不要な音の種類には含まれないようで、あまり遮断してくれません。
おそらく、耳栓メーカーがイメージする不要な音、不快な音、というのは、高音域のノイズのようなものではないでしょうか。その種の音であれば、ウレタンのような多孔質の素材で吸収できるのかも知れません。
しかし、ドスドスという低音の重衝撃音は吸収されないようです。
私が求めている耳栓は、装着感が悪くてもOK、必要な音を遮断してしまってもOKなので、とにかく聞こえなくしてくれる耳栓なのです。
その観点から言って、私にとって優秀な耳栓は、上に挙げた2つでした。
順に説明します。
シリコン製の白い耳栓
東急ハンズで買いました。
試してみた耳栓の中では、これが一番効果がありました。
NRRは22dBで、最近の「科学の耳栓」が28~32dBのものが多いのに比べると、一見、性能が悪そうに見えますが、上に書いたとおり、NRRの数値と、特定の音に関しての実際の使用感との間には、隔たりがあります。
このシリコン製の耳栓は、実は、防音用のものではなく、水泳用の耳栓です。一般のスポーツショップにはあまり置いていませんが、サーフショップで売っています。サーフィン用の耳栓としては、米国でシェア1位なのだそうです。
防音用ではないので、「必要な音は通す」こともありません。とにかく無配慮にべたっと耳を塞いでくれます。私が求める条件を満たしています。
使用上の注意としては、耳に奥まで押し込まないこと。
奥まで入れてしまうと、自分ではとることができず、耳鼻科に行って麻酔をかけてとってもらったという話を聞いたことがあります。
取扱説明書にも「中に押し込むな」と大きな文字で書いてあります。
私は、指で丸めて耳穴に強く押し当て、圧力でシリコンが自然に変形して少し耳穴に入るくらいの状態で使っていました。
絵で書くと、こんな形になっています。粘土で耳を塞ぐイメージです。
粘土のように密度が詰まっていて、低音の重衝撃音をかなり防いでくれまです。
そのかわり目覚ましの音が聞こえにくいので、携帯電話のバイブで起きていました。
私が探した頃は、たまたま品薄だったようで、東急ハンズでしか扱っていなかったのですが、今はアマゾンなどでも扱っています。6ペア(12個)入りのセットが1000円以下。つまり、1ペアあたり150円程度で購入できます。
この6ペア入りをアマゾンで注文してみたら、金曜夜に注文して日曜午前中に配達されました。
ゆうメールでの配送でした。
プラスチックのケースのなかに、白いおだんごのように12個並んでいました。
ダイソーの100円耳栓
ダイソーなどで売っているウレタン製の耳栓は、指でこよりのように捏ねて、細くして耳穴に差し込みます。中でゆっくり膨らんで、耳穴を塞ぎます。
今の流行の耳栓は、装着感を良くするために細身に整形されていて、しかも人間の声などは通すようにできています。これを称して「科学の耳栓」などとキャッチコピーが付いていたりします。上の耳栓箱の写真の右下の4つならんだ耳栓などがそうです。しかし、この種の「科学の耳栓」は、足音などの重衝撃音はあまり防いでくれません。
その点、ダイソーの100円耳栓は、普通のウレタン製耳栓よりも太めで、装着感は悪いです。しかし、太めなので耳の中にギュッと詰まった状態になり、低音にもかなり効果があるようです。
残念ながら、今はダイソーではこの耳栓を置いていません。多分、装着感が悪かったからでしょう。現在店頭に出ているのは、見た目は似ていますが、細身のものになっています。使ってみましたが、足音の重衝撃音にはあまり効果がありませんでした。
先日、東急ハンズで、大袋に30組くらい入って売られている3Mのオレンジの耳栓を見かけました。見た感じ、かなり太めです。以前のダイソーのオレンジ耳栓は3M製だったらしいので、同じものかも知れません。
この3Mの耳栓は、アマゾンでも扱っています。5組700円程度(送料込)ですから、ダイソーの耳栓とほぼ同じくらいです。
以上、わたしの体験に基づく、マンションで安眠できる耳栓のおすすめでした。